つわりの始まり
私の場合、つわりは妊娠5週から始まった。
妊娠検査薬を使用し、【陽性】と判定された段階で産婦人科受診は来週。
なんならまだ子宮外妊娠の可能性だって考えられる時期だった。
ドラマや映画では白米の匂いを嗅いで「うっ」なんていうシーンが多いけど
なんだか二日酔いみたいに気持ち悪いな…。
気持ち悪さ、嘔吐、動悸この3症状に悩まされた。
その後、産婦人科を受診し、正式に妊娠が確定してからつわりによる病休も開始となった。
つわりは妊娠8週をピークに、安定期と言われる妊娠15週頃には落ち着くといわれている。
あくまで言われている、だが。
その日を夢みて、毎日トイレとソファを往復。
食べられるものも日ごとに変わり、妊娠8週の段階で水分さえも嘔吐した。
朝起きて、空腹なことさえも気持ち悪く吐くものがないのに吐いていた。
(そのため私のベッドの横にはウィダーインゼリーが置かれた。
これも数日で受け付けなくなってしまったが…。)
歯磨きも嘔吐、お風呂でも嘔吐、生きる屍になった気分だった。
ベッドやソファに横になっているだけで生きるのが精いっぱいだった。
脱水による動悸もひどくなり、妊娠悪阻のため数日入院。
入院して、吐き気止めを点滴で入れられるも効果はなし。
入院しても、つわりの治療があるわけでもないから
必要最低限の水分、ビタミンを点滴するだけで
本当に落ち着くまで待つしかないんだよね…。
そ、そ、そうなんですね…。
つわりは病気じゃない?
職場へ休職の連絡をしたときに
それっていつ頃まで続くの?
つわりってそんなにしんどいんだね…。
いつまで続くかなんて、私が教えてほしい。
安定期に入っても落ち着かないつわり。
私より辛い妊婦さんなんてきっといっぱいいる。
それでも私は毎日涙を流しながら耐え続けた。
「このまま妊娠継続出来るのかな。」
「私元気な時どうやって生活送れてた?辛すぎて、もう嫌だ…。」
私たちにとって、お腹の中の赤ちゃんは望んで望んでやっとやってきてくれた子ども。
それでもその喜びを蝕むほどに辛い日々だった。
「お腹の赤ちゃんには生きてほしい。ただ、私はもう消えたい…。」
そんな弱音を母に吐いた。
ただ、そう思っていてもつわりが軽くなると
「お腹でちゃんと育ってるよね?元気でいるよね?」
そう心配になりお腹に声をかけ続けた。
つわりが落ち着き、仕事に復帰できたのは妊娠18週を超えてだった。
ただ、職場でもふとした匂いなどでトイレで数回吐くことは産休に入るまで続いた。
出産を経て、それでもやっぱりつわりは辛い
つわりを乗り越えて、出会えた我が子は本当に可愛い。
あの時、つわりに耐え抜いて本当良かったと心から思う。
ただ、第一子を産むと
次は二人目だね!
なんて悪気はないであろう言葉を投げかけられる。
どんなに出会えた我が子が可愛いくても、つわりをもう一度耐えられるかは別物だ。
私にその勇気はまだない。